弊社エンジニアリンググループ初、産休取得してみた

この記事は
フラー株式会社のカレンダー | Advent Calendar 2023 - Qiita
の8日目の記事です。

7日目は kod-sourceさんで「SQLアンチパターンの本を読んだので、アウトプットする」でした。

背景

ハッピバースデートゥーミー♪
本日は私の31歳の誕生日になります。
そして今年はもう一人、約10日前に第二子を出産しました。
きっと今後は誕生日まとめてお祝いされるのでしょうね、当日にお祝いしてもらえるのは今年が最後…かもしれない。

さて

私が弊社に入社した2020年、女性エンジニアが一人もいませんでした。
今でこそ女性エンジニアが増えたものの、今年まで産休を取得した人はいませんでした。
つまり、今年産休を取得した私が、弊社エンジニアリンググループ初、産休取得者になります。
※パパエンジニアは結構いますし、割とみんな育休取得はしてるよ

こういう女性ならではのライフイベントを初めて取得するのは不安……それこそ大学生の頃は「どれだけ産休・育休を取得した人がいるか」を一つの指標として就活をしていました。
とはいえ、前職の頃にすでに1人出産した(産休・育休を取得したことがある)身としては、まぁなんとかなるだろう精神がありました。
そして、先にオチを言ってしまうと、かなり他のメンバーからのサポートを手厚めに受けて、快適に産休を迎えることができました。

本記事は私が産休を迎えるまで、どういう考えで仕事と向き合い、どれだけみんなに助けていただいたかをつらつらと書いていきます。

産後の身というのもあり、腰が爆発しそうに痛く、脳も全然回転しておりません。
したがって簡単にまとめる余裕がなく、ダラダラ長い記事になる気がします。
とても暇な時に読んでください。

妊活中(2022年頃から2023年3月頃)

ちょうど一年前こんな記事を書きました。
マネジメント業務やってみた - ネットワークなどのあれこれ
このサーバーサイドユニット長としてマネジメント業務を打診される数ヶ月前から、妊活を開始しておりました。
そのため打診された際「もし今妊娠したら、来月からつわりで休職するかもしれない」との不安がありました。
※1人目を妊娠した際、それはもうひどいつわりで、まるまる1ヶ月休職し、マーライオンと化してました

不安はあれど、妊娠のタイミングなんて自在に操れるものでもないですし、ここで安易に断ってしまってはだめ……でも言わないのも良くない気がする………
と葛藤した結果、「マネジメント業務引き受けるのは良いが、妊活中のためいざという時は代理を立てるなどしてサポートして欲しい」と返しました。
正直者ですね

こう返すことで、ユニット長就任が撤回されるのではないかなと若干思っていました。(前職でそういう事例があったので…)
もしそうなったら残念ですし、納得できないですが、でも仕方ないのもなんかわかる……でも女性が社会進出する上で〜〜〜〜云々とあれこれ脳内で葛藤した記憶があります。

結果としてはそのまま私がサーバーサイドユニット長として就任することになりました。
うちの上司は度胸あるな

4月に就任してからは、それまでの開発・運用保守業務にプラスされる形でマネジメント業務を担当することになりました。
このマネジメント業務というのがかなり厄介でして、基本的に私が主導で進める業務ばかり。
属人化業務の塊
これはあかんということで、なるべくやってる業務をまとめるようにしたり、手順書に起こせるものはなるべく書いたりしました。

妊活がうまくいかず、約1年が過ぎ、私はかなりダレていました。

妊娠発覚期(4月上旬)

2023年の春から、弊社では初の新卒エンジニアの合同研修が予定されていました。
私の所属しているサーバーサイドユニットでも6名の新卒メンバーが参加、私もサポーターという立場で新卒研修を担当する予定でした。

が、彼らの研修がスタートする直前、妊娠が発覚しました。圧倒的な体のだるさを連れて……

かつて、つわりは根性でなんとかなると思っていた時代が私にもありました。
そんなのは幻想だと知ったのが5年前
同一人物であっても、妊娠するたびに症状が違うと知ったのが今年

妊娠発覚と同時に、つわりによる休職が近いことを察知しました。
しかしこの妊娠発覚時点だと、流産の可能性が高く、大声で「妊娠しました!つわりがきついので休みます!!」なんて言いづらい時期だったりします。
さらに胞状奇胎の可能性を指摘され気持ち的に鬱々しており、とてもじゃないですが上司や仲の良い同僚以外に伝えることができませんでした。
※のちに、双子→バニシングツインによる単胎児と判明しました
「妊娠ってめでたいことなんだから、つわりならそう言えばいいのに」と思ってる方がいらっしゃいましたら、こう言った背景があることをご理解いただけると嬉しいです。

さて、弊社ですが、妊娠が発覚した社員には妊婦休暇という有給の特別休暇が付与されます。
胞状奇胎の可能性のある状況でしたが、労務と交渉したところ付与対象としていただけました。
また、レディース休暇という無給の休暇が女性社員には存在し、こちらもつわりに伴う体調不良で行使できるのとことでした。
この二つの休暇を駆使し、1週間粘り業務調整をちまちまし、新卒入社社員と顔合わせしたところでダウン
つわりが収まり始めるとされている4週間後までお休みすることになりました

つわりでの休職中(4月上旬から5月上旬)

このとき私が持っていた業務はざっくり分けて以下の4点

  • 新卒研修
  • 開発・運用保守案件のサーバーサイド担当&TM (テクニカルマネージャー)
  • サーバーサイドユニットマネジメント業務
  • サーバーサイド関連の業務

新卒研修

サーバーサイドにはテックリードが二人いるのですが、新卒研修はその2人がメイン担当でした。
そのため、予定されていた私の動きとしてはその二人のサポートがメインだったのですが、二人に頑張ってもらう方向で丸投げしました。
丸投げとは言っても、3ヶ月ほど前から準備を始めていたのもあり、すでに最低限の資料は準備してあり、進め方の認識合わせは済んでいるので多分大丈夫だろうという気持ちがありました。
実際は、オフィスの場所の関係でもう一人サポートを行なっていただくメンバーを追加していただいた上で、いい感じに回してもらったようです。
弊社テックリードは頼もしいんだな

開発・運用保守案件のサーバーサイド担当&TM (テクニカルマネージャー)

幸か不幸か、開発業務はちょうど停止している時期でした。
またユニット長に就任した直後の私が頑張って、運用保守は主担当とサポーターの最低2名体制で組んでいました。
そのためまぁ1ヶ月程度ならなんとかなるかと思い、特に引き継ぎ業務をすることなく、私はお休みに入ることになりました。

お休みに入ったあと、上司があれこれ画策し、前々任の担当者にサーバーサイドの開発・運用保守の担当をお返しする方向になりました。
彼はニートを名乗っているものの、決して暇な人ではないはずなので、大変申し訳なかったです。
また担当されていた時期がだいぶ前だったこともあり、ドキュメント化されていない暗黙知となってるところの記憶が抜け落ちていたようで、四苦八苦されている姿が散見されました。
本当にすみません…もう少しドキュメント化頑張っておけばよかった。(そしてちゃんとドキュメントの場所をお伝えするべきだった)

余談ですが、こちら、私の復職後も、私の手に戻ってくることはありませんでした。
というのも、同僚や上司が「妊娠中は何があるかわからないから、無理に戻さなくていいのでは」と判断したためになります。
聞かされた当時は「いやいや、やるよ、やらせてよ」と思ったりもしたのですが、結論としては戻さなくて正解でした。
つわりによる休職期間は終わっても、つわりは終わらなかったのです…

また、弊社では各案件に対してTM (テクニカルマネージャー)という役割の人がいます。
フラーで新設されたプロジェクトの技術責任者『テクニカルマネージャー』はどんな役割? 技術面でプロジェクトにコミットするための取り組みを聞いてみた!|フラーのデジタルノート
こちらはさすがに交代が必要だろうと思い、つわり休暇前の粘っている間に進言したのですが、流石に1週間では後任を見つけることができませんでした。
そのため私の休職中にノー引き継ぎで交代という流れになってしまいました。
引き継ぎがない中で受け入れてくれた某狸さんには感謝しかないです。
最低限のドキュメントは準備していたのですが、それ以上にPMや他のエンジニア、過去にこの案件に関わったことのあるメンバーが次々サポートに入っており、むちゃくちゃ助かりました。
本当にありがとうございます。

サーバーサイドユニットマネジメント業務

こちらの業務は主に各メンバーの目標設定や、その目標に向けた日々の仕事・活動サポート、月一回の1on1、勤怠管理などが該当します。
目標設定やサポート業務に関してはテックリードと協力して行うのですが、私が休んだのは期の中頃でここの業務が盛り上がらない時期というのもあり、完全にテックリードにお任せする方向にしました。

一方で月一回の1on1は、フォーマットや心構えといった資料は準備していたので、「どなたか代理をたてて実施してください」とだけ言い残してお休みに入りました。
とは言え1on1、メンバーとの信頼関係がないと難しいというのもありますし、マネジメント業務をやってる他の社員は常に忙しいというのもあり……
代理の者を建てた上で「希望者のみ実施」という流れになったようです。そして1人も希望を出しませんでした。
が、復職後の第一回の1on1の際、多くのメンバーが延長してまで話す・相談することがある状態になってしまっていました。
半ば強引にでも話を聞く時間を設けた方が良かったんじゃないかなーと思いつつ、でも現実的ではないよなと、いまだに最善解を見つけられずにいます。

勤怠管理に関しては相談だけしたところ、労務と上司がいい感じにシュシュっとやってくれ、綺麗に回していただけたようです。
こういう絶対に止めてはいけない系の業務に関してはこちらから何か特別なアクションをしなくても、他の誰かが回してくれるので本当にありがたいいいい

余談ですが、私がつわり休暇に入ったまさにその日、管理対象のメンバーから退職の意思を告げられました。
(あと1日早く言っておくれ!!)
退職者に対して確認する事項や、対応するべき事項(各種システムへのアクセス権の有無等の確認とか)はドキュメント化していたので、代わりに退職手続きを担当していただいた方にURLを渡すだけで済みました。
これが今回1番のファインプレー

サーバーサイド関連の業務

これはしくりました。
私の会社ではユニットごとに目標を立てており、私のいるサーバーサイドユニットでも例外なく目標が存在しました。
達成に向けてたくさんのメンバーと協力してあれこれ活動していましたし、報告していましたし、経過をドキュメントにまとめていたので、明確に引き継ぎしなくても誰でも進められる……
と、そんな甘いことを考えていました。
結論としては全て停滞しました。
この期のユニット目標はほぼ全て未達です。
「関係者がたくさんいるから誰かが進めてくれる」は「関係者が多すぎてみんな遠慮して何も進まなくなる」が答えなのだと知りました。
引き継ぎする時は、どのタスクを誰に引き継いだのか、明確にしような

復職期(5月中頃から9月)

さて、1ヶ月のお休みを経て、元気よく復職……と思いきや、そんなうまくはいきませんでした。
なんと第二子、つわりがおさまらなかったのです。
正確にいうと峠は越したものの、気持ち悪さと眩暈が永遠と続くような状態でした。
※そしてこの状態は妊娠8ヶ月頃(産前休暇直前)まで続きました

弊社は6月末が期の締めになります。そのため6月上旬までに評価を締める必要があります。
この評価、マネジメント業務の中で最も大事な職務の一つ。
ときは5月中旬。先に書いた通り、1ヶ月以上放置しても大丈夫なような引き継ぎはしておりませんでした。
そのためつわりがおさまらなかったことを理由に、休職期間を延ばすことは、私のプライドが許しませんでした。

弊社は10-15時がコアタイムとなっているのですが、上司に相談してその時間帯であっても休む権利を得、レディース休暇と妊婦休暇を駆使することで無理やり復職に漕ぎ着けました。
かなり制度の穴をついた、ギリギリを走るような勤務形態でしたが、状況を察した周囲の方々に支えられ、なんとか働けたような状態でした。
弊社には子がいる社員が多く、つわりに対する理解がかなりありますし、それ以上に(理由はなんであれ)体調悪い人を支えようという雰囲気があるように思います。
いい職場だな
せっかくいい職場&同僚に恵まれているのだから、もう少しちゃんと休める時に休んでおけば良かったな、という気持ちも今ならあります。

私が休んでいた間に進まなかったのは「名前のない業務」的なものに該当する気がしました。
なので、期が変わってからは、自分の持っているタスクを一覧化&細分化することに務めました。
何か仕事を行うたびに、これはなんのタスクなのか、全体像はどうなってるのか、例外処理はどうするべきか等を考えまとめていきました。
また、私の持っている仕事を全て同じ人に分配してしまっては、その人が手一杯になってしまいます。
できるだけタスクを細分化し、なるべく多くの人に分配できるように努めました。

同時に、仕事をCloseさせる対応もしていきました。
着手さえすればすぐ終わりそうなものは即実施しClose
いい感じのところまで進んでいるものの、結論が出ていないものはエイヤで結論まで出して、上司に報告してClose
問題として着手しているものの、他の部署等との兼ね合いで今はまだまだ進められる時期にないものはClose
かなりの仕事がなくなったように思いました。

同時に「もしや私、産後戻る場所なくない?」と思い、脳内がぱにぱにすることも多かったです。
その時は仲の良い同僚にガンガン泣き言を言っていました。
なんでも相談できる人がいるのは、メンタル的にとても助かりますね。

ラストスパート(10月上旬)

さて引き継ぐべきタスク一覧ができ、休職時期が見えてきた頃
なんとメインとなるマネジメント系業務の引き継ぎ先が決まっていない問題がありました。

というのも、引き継ぎ先を決めるべき上司が某案件で大忙しになったり、弊社のちょっとしたイベントがあったりなかったりしたため、いろんなものが後倒しになっていたのです。
さすがにこれ以上は待てないと思い、こちらから引き継ぎ先の希望を出させていただきました。
この希望が想像以上にすんなり通ったため、引き継ぎ作業はそんなに困ることはありませんでした。
これが通らなかったらどうなったのかな……と思わなくもないのですが、弊社は社員の意思を尊重してくれるところがあるので、きっと希望が通らないことはなかったんだろうなと思っています。

最終週は連絡手段の確保と、各種申請対応を行いました。

弊社では日頃、Slackを用いてコミュニケーションを図っています。
私は立場上、多くの案件のやりとりをみられる立場にありました。
やりとりを見てしまったら間違いなくリアクションをしたくなります。下手したら口出ししたくなります。
休みの人からそんな対応されたら、きっと他のメンバーは働きづらいだろう、そう考えてなるべくミュート化していきました。
余談ですが、休みに入った直後に権限の見直しが行われ、大量にチャンネルに入れられ、結果たくさんの情報が流れるようになってしまいました。
再度ミュート化対応することになりました。

各種申請系ですが、産前産後休暇は特に申請なしで取得できるのですが、育休は申請をしないと取得できないという罠がありました。
そしてこの育休申請フロー、男性の育休をとりやすくする云々の関係で、結構場合わけがややこしくなっていました。
女性側からすると必要のない場合分けなので、もうちょっとシンプルになれば嬉しいのに……と思ったり。
わけがわからなくなったので、とりあえず労務の方を捕まえて、質問しながら申請させていただきました。

そして、この時期ならではの問題、年末調整。
産休・出産の時期と超かぶることが予想されていたので、ひと足先に入力・提出させていただきました。
背景のところにも記載しましたが、産後の脳はかなりポンコツになります。
産後タスクはなるべく最小限にしましょう。

産前休暇(10月中旬から11月下旬)

運動しました。
とにかく運動しました。
じっとしていると会社のことが気になって仕方がないので、それを振り切るためにも、そしてお産をなるべく軽くするためにも運動をしました。
弊社にはclub-walkingという、たくさん歩いてその報告をするだけの簡単な部活があります。
休職中でしたが、なるべく1万歩以上歩き、ここに報告するのを目標に日々を過ごしました。

休職中は社会から隔離された、とても孤独を感じる期間です。
そんな中、こうやって気軽に報告して、みんなからリアクションをいただけるのはとても嬉しかったです。

出産(11月下旬)

この章は、書きません。
というのも、あまり仕事には関係がなく超個人的な話に限定される上に、きつい記憶は忘れてしまいたいので記録としても残さないことにします。
とりあえず、産んだ子の顔を見た瞬間に「かわいい!!」の感情で頭の中がいっぱいになったことだけを記載しておきます。

産後休暇(12月)

今です。
この章を埋めるにはまだまだ時間・経験が足りないです。
後日埋めようと思います。
とりあえず今は腰が痛いとだけ。本当に痛い、助けて。

謝辞

新卒2年目であるのにバリバリにサポートしてくださった労務のコーヒー大好きな方
2人のパパでありラーメン大好きな上司
サックス愛が重すぎる、私の業務を誰よりも引き継いでくださった同僚
妊娠・出産の報告をなぜか誰よりも早く聞かされただけでなく、妊娠中の身体の辛みを常に聞いてくださった猫4匹飼われているマブダチ
この度無事出産まで辿り着けたのはみなさんのおかげです。
最大級の感謝!!!